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この特集は塚越亘によるテニスの特集です。ウインブルドンなど4大大会、デ杯、フェド杯日本戦、東レPPO、ジャパン・オープン、全日本などのビッグ大会会期中に限らず、毎日更新いたします。また、日本人選手の活躍も常時ピックアップ、その都度お届けします。
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プロフィール
塚越亘
テニス・フォトジャーナリスト
1947年生まれ。1973年より30年以上にわたり世界のテニストーナメントを取材している。ITWA(国際テニス記者協会)会員。現在は(株)テニスジャパンの代表としてテニスFAX新聞の発行ほかテニス専門誌などでも数々の寄稿を行っている。
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テニス特集

勝負は第2セットの4つのセットポイントか?

ウィンブルドン2009
6/22~7/5 2009

最終日のウィンブルドンは日が差したり、曇ったりの落ち着かない天気だが、
空は明るく、雨の心配はなさそうだ。

予定通り午後2時、センターコートにロディックとフェデラーが登場した。

<<男子決勝>>
◎2)R.Federer(SUI) 57 76(6) 76(5) 36 16-14 ●6)A.Roddick(USA)

1番コートの巨大スクリーンには多くの観客が観戦に詰めかけ、この映像を見る席も満席だ。

今日は試合が組まれていない2番コートも観客に開放され、スクリーンで映像を見つめている。

0705

第1セット

質の高いラリー戦が繰り広げられる。
エラーが少なく、締まったゲームだ。

ロディックのストロークが素晴らしく、ストローク戦は互角の展開だ。

サービスも素晴らしく、80パーセント近い確率を維持している。

5-5からのロディックのサービスゲームでフェデラーは4つのブレークポイントをつかむが、
ロディックはブレークを許さない。

フェデラーのフォアがエース、ブレークか!?
というシーンもあったがロディックがチャレンジして判定はアウト!
ロディックがキープして6-5とする。

続く第12ゲームでロディックは初めてのブレークポイントをつかむと、
バックのクロスで主導権を取り、鋭いボールをダウンザラインに送る。

フェデラーのフォアはわずかにアウト、なんとロディックが第1セットを先取した!

第2セット

お互い全くブレークポイントを与えずにサービスをキープし続け、タイブレークに入る。

フェデラーのフォアのミス、そしてバックのダウンザラインを決めたロディックは5-1とリードする。

フェデラー、2セットダウンの危機だ。

0701roddick

5-2からロディックのサービス、センターに強烈なサーブを打ってアプローチからボレー、
見事な流れで6-2、4つのセットポイントがやってきた。

ロディックのサービス、
フェデラーは鋭いフォアを放ち、ロディックはダウンザラインにカウンター。

しかし待っていたフェデラー、ラケットを差し出して手首でアングルに持って行き6-3。

何という落ち着きか。

続くポイントはサービス2本で決めて6-5ロディックリード、
再びロディックのサーブでセットポイントだ。

フォアハンドにアプローチしたロディック、
絶好のボールがバックに来たが当て損ねてアウトしてしまう!

ウォッチしようとして失敗したのだろうか?痛い、痛いミスだ。

6-6と追いつかれる。

続くポイントで素晴らしいセカンドサーブを打って前に出たロディックの足下にフェデラーはパスを打ち、
ロディックは大きくアウト。

逆にミニブレークしてフェデラーにセットポイントだ。

ラリーからなんでもないスライスのボールをロディックはバックアウトしてしまい、
フェデラーが逆転でこのセットをものにする。

ロディックが第2セット、このチャンスを生かしていたら違うストリーになっていたかも知れない。

第3セット

ロディックはサービスの確率がやや落ちるが、
セカンドサーブになってもフォアハンドやアプローチからのボレーを駆使してキープしている。

2セットアップのチャンスを逃したロディックだが、非常に落ち着いており、
フェデラーのリターンをうまく処理してストローク戦でもポイントを重ねる。

ただ、フェデラーのサービスゲームではなかなかポイントが取れない。

フェデラーは多くのゲームをラブゲームでキープする。

ブレークポイントはフェデラーに一度だけあったが、このセットもタイブレークにもつれ込んだ。

このタイブレークは序盤からフェデラーがリード。

総合力の高さを見せつける。

今度はロディックが1-5から5-6まで追い上げるが、
最後はサービスからフォアのウィナーでセットカウント2-1とフェデラーがリードした。

第4セット

第4ゲーム、フェデラーの2つのエラーが出てチャンスと見たロディックは思い切ってアプローチで前へ。

遠いパスにバックボレーで飛びついてブレークポイントをつかむと、
ランニングバックハンドのダウンザライン・パスでブレーク。

顔が地面につきそうなくらいに腰を折ってガッツポーズする。

ロディックはバックのクロスラリーからフォアに回り込んでフェデラーのバックに強打し、
その後フォアで攻めていくという流れがうまくいっている。

ストローク戦でも引けを取っていない。

ロディックから5-2で迎えたゲーム、フォアに走らされたロディックは転倒。

かなり危険に見える転び方だ。
大丈夫だろうか?

しかし次のポイントをリターンエースで取る。
その後の動きも問題なさそうだ。

両者キープを続け、
5-3となって迎えたロディックのサービスゲーム、

フェデラーはジャンピングフォアをオンラインに決めて0-30と先行するが、
勇気を持ってロディックはアプローチからのネットプレーにチャレンジし、
フェデラーはパスをミスする。

最後はワイドのサービスを決めてファイナルセットに持ち込んだ。

ファイナル・セット

ウィンブルドン男子決勝はこれで3年連続のファイナルセットだ。

両者サービスキープが続く。

芝のコートらしくラリーは短い。

サービスのあと4球以内にポイントが決まっていく場合がほとんどだ。

0701federer

ロディックのサービスは強力だが、フェデラーはリターンの反応が非常に良く、
完璧なコースに打ったエース級のボールもさわってくるし、
時には良いリターンを返してくるシーンも多い。

実際、エースの数はここまでフェデラーがロディックを上回っている。

これはロディックのサーブが悪いというよりはフェデラーのリターンがいかに素晴らしいかを表している。

これまでのロディックならそのリターンからストローク戦でフェデラーに振り回されていいようにやられていたが、
今回のロディックは全く違う。

ここまで凡ミスの少ない、冷静なロディックを見るのは初めてだ。

ワイドのサービスからオープンコートに強打してボレーで決めるという流れが良い。

またフォアの逆クロスでフェデラーのバックをつき、積極的にネットを取る姿勢もある。

一方のフェデラーはサービスが好調で、サービスエースを連発するシーンもしばしばだ。

フェデラーから6-5で迎えたロディックのサービスゲーム、
フォアハンドのダウンザラインのオンラインでポイントを取るフェデラー、
しかし素晴らしいハーフ・アングルボレーとサーブ、バックのランニングパスを決めてロディックがキープする。

ファイナルセットはタイブレークはない

去年に続くロングマッチだ。

ロディックはフェデラーのサーブで30-30まで行ったが、
スライスサーブで追い出してフォアのダウンザラインエース。

ロディックのバックのリターンがネットして7-6。

8-8フェデラーのサービスゲーム、
ロディックはフォアの逆クロスやアプローチショットでフェデラーにプレッシャーをかけ、
15-30からのポイントではフェデラーの厳しいフォアの逆クロスをバックのストレートに返したボールが
ラインを捕らえ、エースに。

15-40とブレークチャンスを2つ握る。

ここでフェデラーのサービスが光る。

ひとつはサービス・ウィナーで取り、もう一つのポイントは
ワイドのサーブからフラっとあがってきたボールを迷いなくフォアのドライブボレーを振り抜きデュースに戻し、
ここでもサービスを決めてキープした。

重要なポイントでも眉一つ動かさずにプレーする彼の凄みが出ている。
怖いくらいに冷静だ。

ロディックも負けてはいない。
ストローク戦で互角に渡り合い、ネットを取ってドロップボレーを決める。

サービスも相変わらず好調だ。

チャレンジ・システムによって何回もフェデラー有利の判定に覆されることがあったが、
ロディックは独り言を言うだけで、以前のように審判に当たり散らすことはない。

10-10、12-12、14-14。
果てしなくサービスキープが続いていく。

このあたりからロディックに疲れが見えてくる。

準々決勝ではヒューイットにファイナルセット、
準決勝でもマレーに3時間を超える試合を戦っているのだから、体力的に疲れが来るのもうなずけるところだ。

フェデラーリード、15-14のゲームでロディックは2つのエラーで0-30となる。

サービスを決め40-30まで行くが、エラーが出てデュースに。

フェデラーの浅くなったリターンにやや反応が遅れたロディックはフォアをミス。

遂にフェデラーにチャンピオンシップポイントがやってきた。

最後はフォアハンドがフレームショットとなり、フェデラーはジャンピング・ガッツポーズ!

この試合でフェデラーがロディックのサーブをブレークしたのはこの最後のゲームの1度だけだった。


フェデラーの目に涙はなく、笑顔だった。

まるであらかじめセットされたかのような美しい夕日に照らされ、
光り輝くカップにキスするシーンでは本当にカップを愛しているかのように、
愛おしげに見つめていたのが印象的だった。

一方のロディックは呆然としており、視線は宙を彷徨った。

俺は負けたのか・・・
勝てなかったのか・・
勝てたんじゃないのか・・・・??

対照的な二人の姿は勝負の残酷さを表していた。

フェデラーはこの勝利で、
センターコートで観戦していたピート・サンプラスの記録を抜くグランドスラム15個の新記録を樹立し、
昨年8月にラファエル・ナダルに奪われた世界ランク1位への返り咲きも決めた。

またウィンブルドン6度目の優勝はサンプラス・レンショウに続く歴代2位となった。

(レポート JET田中


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コメント

この試合の前後に、ロディックがこの一年体重を絞りやれる事は何でもやりいかに努力をして来たかが、放送されていたが、
同じ努力をフェデラーが毎年積み重ねているのを見過ごしている。 
昨年一年伝染性単核症で失った筋肉と体力を戦いながら取り戻して行った彼の努力を専門家でさえも口にしないのは、私は不思議でならない。 
この春やっともとのフェデラーらしいプレーに戻った彼を私は、グランドスラム15勝のお祝いと共に多いに賞賛したい。

投稿者: maco (Jul 6, 2009 7:25:23 PM)
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